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アイドルにもわかる防音講座

                   “ オトメモ ”

 

はじめまして、この度「防音女子」に任命された大森由佳(ゆかも)といいます。

 

ロンドンブーツ1号2号の田村淳さん企画のアイドルグループ「スルースキルズ」のメンバーです。


「防音」って専門的で難しいイメージありませんか?防音女子である大森由佳は、防音の専門家といっしょに勉強しながら、皆様にわかりやすく、防音というものを伝えていきたいと思います。

 

01  遮音ってなに? 基礎編

 遮音は、文字通り、音を遮ることですが、跳ね返すといったほうが正しいかもしれません。そして、遮音する度合いのことを「遮音量」や「遮音レベル」と呼びます。

 

 では、遮音量を多くするにはどうするかということを書きたいと思います。とはいっても、音って目に見えないから、イメージが付きにくいですよね。なので、遮音するということを、以下の図で、何となく(あくまでもイメージです)表現してみました。


 ※遮音壁にこれらのボール(音)を投げて、より跳ね返ってくる壁の方が遮音量が多い(遮音する)感じです。

 遮音壁が厚く重く硬い方がボールを跳ね返します。コンクリートのようにゴツイ壁だとボールは跳ね返ってきますが・・・

 

 

 薄いベニア板にボールをぶつけても、バイーンっていってあまり跳ね返って来ませんよね?

 

 厚い、重い、硬い材料を使うのが、遮音量を多くする方法の一つです。

 

 もう一つが、密閉する方法です。ペットボトルのように、水が漏れない、隙間がない状態です。ペットボトルに小さな穴が空いてたら大変ですよね?音も同じで密閉しないと音が入ってきてしまいます。だから、防音室のドアなどは、密閉機能があります。ペットボトルのキャップのように、ギュッと締めこんで、漏れないようにするんです。

 

 さきほど書いた、(1)厚い、重い、硬い材料で(2)密閉をすると、遮音量の多い空間が出来ます。潜水艦とか遮音量すごそうですね。鉄で出来てるし、密閉されているし。


 でも、自分の家で大声で歌をうたいたいって思っても、潜水艦を家には置けません。家が壊れますというか入れられません。だから、リアルで防音室とか作るには工夫が必要なんです。


 1つ目の工夫は、防音室の中に、もう一個防音室を作ってしまう方法です。マトリョーシカみたいに・・。ボックスインボックスなんて呼んだりします。色々計算とかしないと効果を発揮しないのですが、こうすることで、重い材料を軽く出来るんです。軽くないと、マンションの二階以上とか置けないし、重い材料だとお金もかかりますよね?


 2つ目の工夫は、遮音する材料だけじゃなくて、色んな材料を組み合わせて、色んな層を作って、色んな難しい原理を組み合わせて、防音する構造を作ることです。なんのこっちゃ(笑)説明するにはかなり時間がかかるので興味がある方は直接聞いてくださいね。防音の専門会社はこの辺の工夫をして、軽くて遮音量の多い構造を開発してるんですよ。

 

 ↓まとめます

 

 

02  吸音ってなに? 基礎編

 

 吸音は、音を吸うと書きますが、音のエネルギーを熱エネルギーに変えることです。でも熱くならないので吸音材を触っても大丈夫です。安心して下さい。この吸音する度合いのことを、「吸音率」といいます。遮音は音を跳ね返しますが、吸音は逆に音を跳ね返さないことをいいます。ボールを投げて、吸音材にぶつけて跳ね返って来ない方が吸音率が高いです。フトンとか、スポンジとか・・だから、吸音材は、大体みんなフワッフワです。

 

 でも、いくらフワッフワでも、空気(音)が入っていかないとあまり意味ないんです。フトンをビニール袋で包んだら、フトンは吸音材ですが、ビニール袋が遮音材になっちゃうんです。遮音は音を跳ね返してしまいますので、吸音しにくくなっちゃいます。
 吸音材って、一度入ったら抜け出せない、迷路のようなものです。フトンも良く見ると、繊維やら羽毛などが絡まって、めちゃくちゃ小さい部屋がたくさんある状態です。各部屋には入口と出口があります。音はこの迷路に入って色んな部屋を彷徨って出てこれない。小部屋がたくさんあって迷いやすいほど吸音率が高いです。

 吸音材って、デコボコだったり、三角だったり変な形をしています。これは、迷路の入り口(表面積)を増やして音が入りやすいようにしているんです。だから、吸音材は小部屋が多く(厚い、大きい)、表面積が広い方が吸音率が高いです。でも、高い音に比べて、低い音って吸音しにくいんです。高い音は小人、低い音は巨人とイメージするとわかりやすいですかね?巨人は大きいから部屋に入りにくいんです。

・デッドとライブ
 皆様、無響室って知ってますか?無響室は吸音材を大量に使った部屋のことで、この部屋に入ると音が全く跳ね返ってこないんです。入ってみたらめちゃくちゃ気持ち悪いです。ここまで吸音された部屋って、日常にはないので、違和感がスゴイです。無響室の中で歌をうたってみたんですが、絶望です。エコーがないのでめっちゃスカスカで下手に聴こえます。

 

 

 こういう、吸音された空間をデッド空間といいます。反対に、吸音をされていないお風呂場のような反響ウァンウァンの空間をライブ空間といいます。お風呂場で歌をうたうと上手く聴こえるという人もいますよね。音楽をやる人は、部屋の吸音材の量や位置を考えて、目的に合わせてライブとデッドのバランスを調整したりしてますね。(調音)
 

 ↓まとめます。

 

03  防音ってなに? 基礎編

 

 「防音」というと思い浮かべるのが、「防音室」だと思います。防音室はヘッドフォンのように、外の音が入ってこない様にする、または、中の音が外に漏れない様にするという目的で使われます。

 

 防音は音を防ぐことをいいますが、防音というのは「音を目的に合わせてコントロールする」ことなんです。ポイントは、「音の方向と行き先」をコントロールする。「音のエネルギー」をコントロールするという2つです。
 大まかにいうと、音の方向と行き先は、遮音でコントロールし、音のエネルギーは吸音でコントロールします。なので、簡単に言ってしまうと、防音=遮音+吸音です。
 よく勘違いされてしまうのが、遮音=吸音だったり、吸音=防音と思われてしまうことです。遮音は音を跳ね返して、吸音は音を跳ね返さないことですので、電池の+ーのように正反対だと思うとわかりやすいです。

 

 

<遮音だけ>
 遮音は音を跳ね返します。跳ね返った音は「消える」わけではなく、また別のものに当たって跳ね返ってこれを繰り返します。これが反響や残響になってしまうんですね。吸音をしないで遮音だけだと、お風呂場みたいにウァンウァンになってしまいますし、音が反響してしまうと、実際に発生した元の音よりも、うるさくなってしまうんです。だから、せっかく遮音をしても、反響してうるさくなった分、音が漏れる量が大きくなってしまいます。

 

<吸音だけ>
 吸音は音を跳ね返しませんので、吸音材だけでは遮音性はほとんどありません。跳ね返さないということは、音(空気)を通りやすい構造といえます。音が抜けやすいということは、遮音出来ませんよね。

 

 だから、遮音だけでも、吸音だけでも、防音は難しいです、↓の図のように遮音をして、さらに吸音をすることで防音室が作れます。

、↓の図のように遮音をして、さらに吸音をすることで防音室が作れます。

<防音のテクニック>
 遮音材で音の障害物を作ることで、音の方向と行き先をコントロールし、吸音で音のエネルギーをコントロールします。コンサートホールが変わった形をしているのも、どこで音を跳ね返して、お客さんにどのように聴こえて、どうやって減衰させて・・という音響設計(コントロールの手段)をしているんです。

 

 ただ、遮音材で四角い部屋を作っても、防音ってなかなか上手く行きません。四角い部屋に閉じ込めた音が、どうやって伝わるか、音響障害(フラッターエコーやブーミング)は?振動の処理は?換気は?窓は?透過損失は?残響時間は?など色々考えないといけません。はい、難しいですね。このあたりの知識を付けるには勉強もしないといけませんが、

 こんな厚い本とか読まないと・・

 

 でも、この本だけじゃ、解決出来ないことって多いですし、防音専門会社でも、防音工事をして、失敗してしまった例って世の中にたくさんあります。失敗をしたことがない防音専門会社ってまずないと思います。経験って大事です。勉強だけじゃだめですよって私がいうことじゃありませんが(笑)


 美味しいラーメン屋さんだって初めから美味しいラーメンつくれたわけじゃないし、日によって味も違うし、長年研究や試作など努力をして、美味しいラーメンがつくれる。他の人は簡単にマネ出来ませんし、作り方は教えてくれませんよね。防音も同じです。

 

 ↓まとめます。

<DIY防音のおすすめ>
 でも、防音の知識がない人がどうやって防音すればいいの? そこで防音女子である私の出番です。防音って難しいし、知られていないことが多いので、みんなで広めて行きたいです。質問受け付けております!

 

04  防振・除振ってなに?

 子供が跳ねてどんどんどん、ダンスの振動ゆらゆらゆら、振動の問題って世の中結構多いですよね。これらを防ぐのが防振、除振です。でも、結論からいうと、防振、除振はめちゃくちゃ難しいです。
 防振と除振を図で表すとこんな感じです。↓

<重衝撃音と軽衝撃音>
 最初に、防振と除振はめちゃくちゃ難しいと書きましたが、難しいのは「重衝撃音」といわれる方です。ネット通販などでは、「防音カーペット」って結構売れてます。でもこれ、重衝撃音には全く効果がないんですよ。なぜなら、防音カーペットは「軽衝撃音」対策に作られたものです。

 

 重衝撃音と軽衝撃音の違いは図で表すとこんな感じです。↓

 では、どうやって重衝撃音を防ぐか・・現実的には無理なことが多いです。例えば、マンションの2階で子供が飛び跳ねて、1階の住民から「うるさいよっ」って苦情が来てしまった。この場合、マンションの床の構造自体(下の図の通り)が弱いから仕方ないですねということになってしまいます。

 マンションの床を強化するには、上に板を重ねても、カーペットを貼ってもほとんど効果ないです。だって、子供が飛び跳ねて揺れているのは、マンションの床自体ですから、上に何か貼っても、普通に考えて揺れますよね。

 子供が飛び跳た時のエネルギーって、かなりのエネルギーです。このエネルギーを吸収するなり、減衰させるのには、かなりの工夫が必要になってしまいます。

 例えば、お父さんが日曜日に畳の上で寝ていて、子供がお父さんのおなかの上を飛び跳ねる。「イタタッ、おい!やめろよ!」この時に、お父さんのおなかの上に、板やカーペットで防御しても、お父さん痛いです。

 

 軽衝撃音だったら、対策はそんなに難しくないですが、苦情の原因ってほとんど重衝撃音だったりします。やっぱり、お金をかけて防振・除振工事をしなくてはなりませんね・・そして、何とか、手軽に安く対策出来るものを開発しないと。がんばります。

 ↓まとめます。

 

 

05  音の単位や性能値

 防音でよく使われる音の単位は、dB(デシベル)とか、Hz(ヘルツ)です。
 dBは、40dBとか80dBと書きます。簡単にいうと、音のうるささの単位です。
 Hzは、40Hzとか80Hzと書きます。簡単にいうと、音の高低の単位です。

 私が、大声で「やーっ」と叫んでみました。そして、これを騒音計という装置で測定します。すると、色んな数字が出てきます。「やーっ」のうるささは、99.1dBでした。そして、「やーっ」には、高い音、低い音、色んな音が混じってます。下のグラフを見ると1KHz、2KHzが大きいですね。高い音が大きいということです。
 

 

 

<音の測定方法>

 音を測定するには、騒音計を使うのが一般的です。最近はスマホのアプリでも騒音を測ったり出来ます。でも、騒音計によって、同じ音でも違うデータが出たりしてしまいます。さっき使った騒音計は、デンマークの会社で作っているハンドヘルドアナライザ2250型ってやつなんですが、250万円近くもします!騒音計って高いですね。この高い騒音計と数千円の騒音計とは、同じ条件で測定しても違う数値が出てしまいます。

 騒音計と測定方法は、決められたものを使うのが良いです。日本工業規格(JIS)では、目的に合わせた測定方法が基準とされてますし、騒音計も、公的認定&校正を受けたものを使うのが良いです。

 

 

<防音室の性能>

 防音室の遮断性能は、○○Hzで○○dBと表記します。防音室の中で500Hzが80dB、防音室の外で500Hzが50dBだとすると、遮断性能は・・・80dB - 50dB = 30dB。500Hzで30dBです。

 

 

<防音室の性能、小話>

 防音室の性能を表すのに、よく使われるのが「遮音等級」というもので、D値とかDr値といいます。でもこれ、あまり使わないほうがいいのかなと思います。低い周波数を無視してますし、アバウトな面もあるし、色んな測定方法がごちゃ混ぜに使われていて、間違いや誤解も起こっています。まあ、使う側の問題なんですが・・

 ↓まとめます。